Activity Report

国内外の地域医療を医療、保健の視点から学び、実践することで地域に貢献する

マヒドン大学、タイ地域の病院での熱帯医学看護研修

タイ、マヒドン大学熱帯医学病院、ターク県ターソンヤン病院での熱帯医学看護研修です。デング熱やマラリアといった熱帯病に関することだけでなく、タイと日本の医療の違い、難民や移民への医療サポートなど興味深い報告書です。


【2015/9】ミャンマー国境沿い(Mae Sot)での活動

GLOW研修員で余市協会病院で看護師として働いている杉原です。9月5日よりタイにて海外研修を開始しました。今週はミャンマーとの国境沿いにあるMae Sot(メソト)にて研修をしています。メソトには多くのミャンマー人が難民や移民として居住しています。タイは30バーツ(100円くらい)支払うことで医療が受けられる皆保険制度や小学校の無料教育制度があります。しかしミャンマーにはそうした制度はなく、特に山岳地帯に住む少数民族には厳しい生活となっており、タイに逃れてくる現状があります。そのような人々を支援するため、各国の様々なNGOや人々が介入しています。
今日はメラ難民キャンプへ行ってきました。ここには4万人以上のミャンマーからの難民が生活しています。想像を絶する広さ(歩く途中で息が上がってしまうほど…)で、マーケット、お寺、クリニック、学校、そして大学のようなところまでありました。主にカレン族の方が居住しており、学校での言語はカレン語またはミャンマー語で、英語の教育もありました。訪問した小学校には100人以上の生徒がおり、みんな素直でかわいい笑顔でした。英語で自己紹介をしあったりしてきました。大学のようなところは主にインドからきている15人の先生が教えているそうです。授業は英語で行われており、パソコンを使ったり、職業としての技術も教えられていました。リーダーシップを発揮できる子を育てていこうと熱意のある先生方でした。そびえたつ山々は美しく、人々の笑顔は暖かく真っ直ぐでした。もちろん支援は大事なのですが、ここに住む人々が自活できるようなシステムがもっとこれからうまく運用されていったらなとか、ここにいる素直できれいな目の子どもたちが夢を持てるような将来になったらなとかいうことをぼんやり考えていました。正直ものすごく勉強不足で、難民ことも、この地域の人々も知らないことだらけで、毎日濃厚すぎる日々を送っています。なんとなくしか把握していなかった日本にいる難民も、本当に知らないなと改めて思わされました。自分が知らないだけの世界って本当に広いなとつくづく思い、また今はまずこの地域のことだったり難民のことをもっと知りたいと思っています。 順番は前後しますが、デング熱のキャンペーン事業やメータオ・クリニックの見学についてもアップしていきます。

マヒドン大学
マヒドン大学
マヒドン大学

マヒドン大学での研修(発熱外来、トラベルクリニック)

マヒドン大学タイ、バンコクで研修中の杉原です。ついにマヒドン大学病院での研修が始まりました。初めに各病棟や外来などの師長さんたちに囲まれてオリエンテーション。大歓迎していただきました。多少覚えたタイ語を話そうと思っていたけど、そんなことできないくらい緊張しました・・・。初日からの3日間はFever Clinic(発熱外来)にて研修をしました。以前はほかの外来と一緒の部門だったそうですが、感染予防対策としてこの部署ができたそうです。患者さんは1日に10~15人ほど、24時間対応しています。まずバイタルサイン測定し医師の診察、検査、必要に応じて点滴などの処置と、内科外来などと同じような動きになるのですが、疑われる疾患がデング熱だったりマラリアだったりするので、その採血項目があったりします。疾患はデング熱が一番多く(ほとんどのケースが入院が必要な方でした)、急性熱性疾患、扁桃腺炎や水痘症などがありました。

マヒドン大学2日間はトラベルクリニックへ行きました。患者さんは半分くらいがタイ人、残り半分が外国人で、ワクチン希望の方が90%ほど、他は具合が悪くなった外国人や、旅行後に具合が悪くなったタイ人だそうです。びっくりしたのは外国人の方でワクチン希望する方が多かったこと。長く海外旅行をする欧米の方などがアフリカに行く前にコレラやポリオのワクチンをしてほしいだったり、3回目のワクチンだけお願いしたいだったりというケースが多くありました。ワクチン接種希望の方にも、医師が診察しながら、どこに行くのかどんなことを旅行先でするのかと質問し、それに応じて推奨するワクチンや旅行先でとるべき行動などを説明していました。看護師さんたちは皆流暢な英語を話しており、ワクチンやマラリアなどの熱帯病の知識もしっかり持っていて、とても優秀な方たちだなという印象でした。親切にしていただき、聞いたことは何でも笑顔で教えてくれました。

マヒドン大学研修の合間には、トラベルクリニックの担当の医師から、旅行医学の講義や実際の患者さんに話を聞きながらデング熱の診察について教えてもらったりしました。ただ熱帯医学のことも、英語での言い方もわからないことが多かったので、ひとつずつ勉強中です。実際のケースを見ながら勉強できるのは面白く、勉強した次の日にわかることが少しでもあると嬉しくなり、より興味が増してきます。看護師さんたちにはタイ語も教えてもらっています。「ご飯をたべに行きませんか?」「おなかがすいた」とかのごはん関係から覚えて、「これは何?」とタイ語で言いながら指をさして単語を覚えたりしています。地域の病院に行くまでに少しでも話せるようになっていたらなと思います。 病院スタッフは皆優しくて、毎日気にしてくれている師長さんや少しでもタイ語を話せると「Good!」と笑顔で言ってくれる新人さん、何か勉強になりそうなことがあればすぐに声をかけてくれる看護師がいました。お昼休憩でも美味しいタイ料理を教えてもらっています! 来週からは一般病棟へ行ってきます。


【2015/10】モバイルクリニックと寄生虫調査

杉原です。今週はラオスの国境近くのルーイという地域へ行き、モバイルクリニックと寄生虫調査を行うプロジェクトに参加させてもらいました。シリントーン王女のプロジェクトで、月に一度の頻度で、近くに病院がないような地域で行なっているそうです。昨年のプロジェクトの様子もご覧ください。(http://cicmt.com/activity/201408_01.html)
移動に1日かかってしまうので、プロジェクト自体は2日間で、小学校で行いました。モバイルクリニックは、子どもから大人まですべての地域住民を対象に行い、タイ国籍でなくても来た人は誰でも無料で受けられるようになっていました。まず名前や年齢等と、症状があれば聞き取りを行い、体重や血圧測定、必要があれば体温測定を看護師が行った後、医師が診察を行い、薬の処方をします。私はタイ語の本を片手に体重測定のお手伝いをしてきました。おかげでだいぶ数字を覚え、発音の難しいタイ語も伝えることができました。子どもに対してはシラミのチェックも行っていました。2日間合わせて230人ほどの方がきました。来ていた方は30~60代の方が中心で女性のほうが多く、小学生が全体の2割ほど、数名80~90代の方も来ていました。寄生虫調査チームは、地域のヘルスボランティアを通じて事前に渡しておいた便培養キットで寄生虫感染率を調べていました。こちらも200名ほどの培養を回収しました。

看護研修
看護研修
看護研修

看護研修この地域は健康的な方が多かったようで、シラミのチェックで陽性だったのは3人、寄生虫感染率も2人だけでした。今まで行っていたほかの地域は、もっと寄生虫感染率もシラミの陽性率も高いようです。モバイルクリニックでの健康問題は、関節痛が最も多く、ついで胃痛等消化器系のもの、その他風邪や不眠等がありました。子どもは皮膚炎や風邪が多かったです。印象として、ふっくらした体形の大人が多かったように思います。来月に地域の病院に行く際に、その地域の方々の生活も見ながら、バンコクの人たちとの比較も考えてみたいと思います。1日目には寄生虫感染予防の健康教育も子どもたちに行い、予防ソングを踊りながら歌っていました。2日目はタイの鉄道会社が寄付で食事の配布を行っており、お祭りのような雰囲気でした。また両日とも、マヒドン大学の歯学部も来て、歯科診療を行っていました。

バンコクはとても都会で、いつでもコンビニが近くにあってどこに行くにも便利ではあるのですが、やっぱりこういう田舎のゆっくりとした時間って良いなと思いました。赤ちゃんがいればみんなであやす、足の悪いお年寄りがいれば順番を譲って先に診察してもらう。どこに行くにも車がないといけないけれど、田畑を見ながら、野菜や果物が生る過程が見られる。毎朝5時半に起きて、近くの山に連れて行ってもらい、雲海も見てきました。
今回もプロジェクトのメンバーにとてもお世話になりました。4日間生活を共にして、タイ人の生活も垣間見れてそれも面白かったです。タイ人はほとんどが仏教徒です。信仰の程度は人それぞれだと思いますが、お寺の近くを通るとき、毎晩寝る前にはお祈りをしていました。実は各病棟にも仏像が飾ってあります。またとてもきれい好きで、1日2回はシャワーを浴びます。病棟で1日1~2回はベッドバスをするということにも納得でした。
金曜日は再び病院研修で個室病棟へ行ってきました。個室なので入院費の加算はありますが、看護体制や行っていることは一般病棟とほとんど同じです。患者さんはデング熱の方が最も多く4人ほど、他は急性胃腸炎や気管支炎、じん不全等の内科系疾患の方が5人いました。ところで、夜間は看護師が少ないけれど何かあった際にはどうするのかと聞いてみました。病院全体を統括する看護師が1人いるので、その人へ連絡をする、また近くの病棟の看護師に応援をお願いするとのことでした。医師も当直は2人のようです。来週からはICUへ行かせてもらいます。